木組みのはじまり
木組はどのように変わってきたか?
最も原始的な木組は丸太を縄や紐で縛る技術である。丸太を刻まなくても済むのが便利だが耐久性に劣る。そこでしだいに木材自身を切り欠き、組み合わせる技術が発達した。木材を隙間なく組み合わせないと耐力が落ちるので、通常は接合面を平らに加工する。ところが、江戸時代になると、曲面であってもデザイン重視で、密着させてしまおうという段階まで加工技術が向上する。同じ木組に見えても、そこに込められた技術や美意識が違うのである。
- 捻子組
丸太の軒桁が建物の隅において、柱も含めて三方向に交差する部分の納まりで、丸太技術の集大成といわれる仕口である。完成品を見るとどのように組まれたのか皆目見当がつかず、密着した個々の部材の納まりからは、金物接合からは得られない独特の緊張感を感じることができよう。
- 縛る木組
インドネシアで、現在も用いられている木組の技術。頑丈なロンタール椰子の葉を用います。
- 込栓
柱の途中にあけた穴に貫を通して、柱側面から打ち込む栓で固定する方法。柱と貫が固定できるが、穴を正確にあける手間が必要となる。世界の多くの地域にも見られるが、とりわけドリルが発達した西洋ではこの方式が普及した。
- 下げ鎌
貫を端の柱に差し込むときに使います。下げ鎌と呼ばれるが、形状的には蟻なので片下げ蟻ともいう。
- 渡り腮
上木と下木をともに欠き込んで重ね合わせる単純な仕口で、古代から使われている。模型は柱と貫の接合に用いたもの。上からの押さえがないので、両側から楔くさびを打ち込み固めている。
- 鼻栓
柱に通すホゾの先(鼻)に穴をあけ、栓を通して固定する。主に引っ張る力に対応する。込栓よりもつくりやすく世界の多くの地域で見られる。模型はホゾにかかる力を軽減するため、大入れにしている。
- 隅留め
土台や床組の隅部分に使う。「留め」は45°同士で合わせるため、きれいな見た目になるが、その分加工の難易度が上がる。
- 大入れ蟻掛け
土台や床組を組むときに使う。中央のホゾ穴は柱を差すためのもので、仕口部分が浅くなることから、蟻掛け(蟻落し)とするしかなく、耐力を増すため、大入れとしている。