キュレーターテキスト

繊細さの国にて 

当館の一つひとつの展示企画は、それぞれ全く異なるインスピレーションから生まれる。 

非常に客観的な視点から形になるものもあれば、空想から形になるものもある。空想は抽象的で、私たちの想像力の中で形作られ、自由に進んでゆく。「感じるー⽇本の⽩」はそのように生まれた。

JHSPの読書クラブで日本のある名作を読んだことをきっかけに(川端康成著の『雪国』)、私は日本北部の果てしなく広がる白い風景を夢見るようになった。静けさ、広大な眺め、光の移ろい、真っ白な広がりを前にして現れるあらゆる可能性、そして終わりを感じさせない地平線…これらすべてが私の心に深く入り込んできた。 

小説の中で、雪に晒された白い布が具体的に描写されていた。「白地の上の白」。その時、私は気付いた。日本人の「白」という色の考え方が、その文化に深く根付いた細部へのこだわりを示す素晴らしい例であることに。  

日本は、白の濃淡の違いさえも見分ける国であり、カタログ化された白の色調の数の多さや、雪の種類ごとに無数の固有の単語が日本語に存在することを見れば、それがよくわかる。 

日本では、細やかな気配りやニュアンスが見過ごされることなく認識されていることに気づかされる。細部にまで気を配る几帳面な国であり、それは客人をもてなす際の繊細さや、美しさは機能性でもあるという理解、そして過剰を避ける姿勢などさまざまな場面に表れる。

こうした空想から、キュレーターチーム内で、これらすべてを展示として具体化する最善の方法についての議論が始まった。  

私たちがこの概念を象徴する要素として選び、いくつかのテーマエリアに分けたのは、「雪」「塩」「紙」「絹」である。これらはすべて、日本文化において重要な意味を持つものだ。抽象的かつ感覚的な関係性を生み出すために、美術作品や神道の儀式的な要素を取り入れ、来場者の体験をより豊かなものにした。本展を通じて、繊細な文化の更なる側面に丁寧に向き合い、詩的な繋がりを感じていただくことで、より深い洞察力を持つ鑑賞者をインスパイアすることを願っている。 

 

ナターシャ・バルザーギ・ジーネン 

企画局長および展示キュレーター