インスタレーション作品 - 柴田あゆみ

生命に宿る神々

柴田あゆみ氏(横浜)の作品制作で中心となる素材は紙である。また、「紙」と、日本文化において一般的に精霊を意味する「神」の音が重なることも重要な要素になっている。

それらの実体や精霊は、森羅万象に宿っているか、あるいはその一部として存在している。

また、時間や空間、宇宙を自由に行き来する。姿を現すこともあれば、ただその空間の一部として溶け込むこともある。

空や大地、風に宿り、岩のような自然物から、道具のような人間の創造物に至るまで、様々な事物に宿ることができる。言うまでもなく、これらの精霊は紙にも宿るのだ。

こうした精神的背景を起点とし、柴田氏は純粋さをイメージさせる白色の紙を選び、日本の伝統的な「切り絵」を用いて、人間と自然環境の繊細な関係性を際立たせるインスタレーションを制作している。

柴田氏が施す切り抜きや生み出す形は極めて細く、繊細です。その繊細さは、作品を吊す糸にも見受けられ、唯一無二の精緻さを醸し出している。

Poetry of Life」は、細い線で繋がった層からなる作品であり、こうした思考を提示している。

切り取られたひとつひとつの小さな断片を柴田氏は細胞として見立て、生き物が持つ多様な構成を表現しているのだ。

作品が飾られ、そして取り外されるとき、まるで一つの命が消え、別の物質へと生まれ変わるかのようであり、そこには無限で生命力に満ち溢れている循環がある。鏡との交わりによって、作品が新たな次元、視点へと開かれていく。

また、照明は、神々しい光の柱を作り出し、まるで、その光が物質の内側に宿っているかのようだ。