JHSPによる文章

木とそのいくつもの命

 

2025年、ジャパン・ハウス サンパウロはいくつか特定したテーマを軸に展示プログラムを企画しました。日本人の自然とのつながり、そしてその認識と手入れがサステナビリティの基盤をなしている点は、重要な糸口の一つとなりました。

 

こちら地上階の展示スペースでは、その流れがより明確になっています。今年、まず私たちはものを無駄にしない「もったいない」を主軸にした『Japanese principles: design and resources』展を開催しました。続いて、木材の効率的な利用と共同作業をテーマにした『解剖学:日本における住まいのかたち~プレハブ~』展を行いました。(いずれの企画展も当館ウェブサイト内のバーチャルツアーでご覧いただけます。)そして、この一連の流れは、優れた大工職人の様々な技を紹介する『大工の匠たち』展で締めくくられます。

 

当館の企画展のほとんどはJHSP内部で着想していますが、年に一度、日本で巡回企画展審査委員会によって選定され、ロンドン、ロサンゼルス、サンパウロの三つのジャパン・ハウスを巡回する展覧会を開催します。これは、サンパウロのプログラムの中で唯一、外部関係者が手掛ける国際的なキュレーションでもあります。

 

ここ数ヵ月間、キュレーターと数多くのやり取りをしていく中で、日本の大工職人の木との向き合い方により強い感銘を受けました。技術的、また精神的な側面に加え、伝統的な木組み技法の効率性と精巧も賞賛に値します。

 

神戸市の竹中大工道具館の貯蔵品を借りて開催される本企画展は、幅広い内容を紹介し、大工職人と木とが織りなす世界に浸る機会を提供します。そこでは、日本ならではの考え方に触れることもできるでしょう。日本には古くから受け継がれてきた建造物が数多く存在するという背景から、冒頭の文章にあるように、樹齢千年を超える木を使うことは、珍しくありません。ものを守り続け、末永く伝えていくという姿勢こそが、日本文化の根底にある重要な前提なのです。 

 

日本は、限られた資源を効率的に活用する豊かな経験があり、その特徴は様々な分野で見ることができます。木材の使い方もその一つであり、目を向け学ぶ価値がそこに存在するのです。

 

ナターシャ・バルザギ・ジーネン

ジャパン・ハウス サンパウロ企画局長

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